大和合成株式会社は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の両方を扱える数少ない中小企業として、プラスチック部品の製造を行っています。私たちは、国内外に製造拠点を持ち、日本国内では大阪と宮崎、海外ではベトナムのハノイとホーチミンに工場を展開し、国内外のお客様へ迅速かつスムーズな製品供給を実現しています。
大阪本社では、開発から試作、評価、そして量産準備までの一連のプロセスを担当し、その後の量産段階は宮崎工場やホーチミン工場で行っています。特に、自動車、配線機器、電気電子機器などに使用される精密小型部品を得意としており、熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂のいずれにも対応可能です。
ベトナムのハノイ工場では、二輪車やOA機器に使われる大型外装部品を中心に製造を行っており、こちらは熱可塑性樹脂のみを扱っています。
製品概要
自動車・二輪部品
大和合成株式会社では、日本国内で、自動車エンジン補器類に使用される熱硬化性樹脂プーリーや、パワーステアリング用オイルタンク、ステアリングのコラム部品など、重要保安部品を製造しています。これらの部品は、自動車の安全性に欠かせない部品であり、私たちはその品質と技術力で自動車・二輪業界において豊富な実績を誇っています。
海外に目を向けると、ベトナムのホーチミン工場では、熱硬化性樹脂を使用した二輪車エンジンのキャブレター部品も製造しています。この部品は、エンジンの燃料供給に関わる重要な役割を果たしており、高い耐熱性と強度が求められます。また、クラッチ部品については、摩擦材をインサート成形したり、後工程での表面加工を行ったりして、摩擦性能に優れた高品質な製品を提供しています。
ハノイ工場では、二輪車の外装部品を主力製品として製造しており、こちらでは熱可塑性樹脂を使用しています。これにより、耐久性と軽量化を両立した外装部品を提供しています。
宮崎工場では、熱硬化性樹脂プーリーやオイルタンクの製造には、専用の製造ラインを備えており、オイルタンクは上下に分けて成形し、振動溶着により接合するという技術を用いています。また、金属製ブラケットの組み付けも自社の製造ラインで行い、製品の耐久性を保証するための耐圧試験やエアリーク試験も徹底しています。
当社では、製品の企画・設計から、部品の製造、組み立てまで一貫して対応できる体制を整えています。プラスチック部品についてお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。お客様のニーズに応じた最適なソリューションを提供いたします。
配線機器・産業機器部品
大和合成株式会社では、住宅用から工業用のブレーカー、漏電遮断機、そして雷から機器を守る避雷器部品まで、さまざまな配線機器部品を製造しています。特に、当社では熱可塑性樹脂に加え、耐熱性と電気絶縁性に優れた熱硬化性樹脂、特にフェノール樹脂を使用した製品の製造に強みを持っています。
製品の形状や金型設計には長年の経験と知識を活かし、金型破損や成形の難しさを最小限に抑える工夫を行っています。これにより、射出成形、トランスファー成形、圧縮成形など多様な成形方法を用いて、お客様のニーズに最適なソリューションを提供できます。ゲート方式についても、お客様との綿密な打ち合わせのもと、製品形状に最も適した方法を選択し、高品質な製品づくりを実現しています。
金型製作後は、設計通りの仕様が満たされているか、選定した材料やコストが適正かを確認するため、試作品を提出し、お客様の評価をいただきます。必要に応じて修正・改良を行い、最終的にお客様のご希望に沿った製品を提供します。また、当社の豊富なノウハウは、新たな開発品にも積極的に活かされ、技術提案を通じてお客様のプロジェクトをサポートしています。
電気・電子機器部品
コンピュータ社会を支える近接スイッチ、各種信号変換器、モーター用インシュレート、トリマーコンデンサーなどの電気・電子機器部品を提供しております。
また、携帯電話のバイブレーションモーターの軸受部品など超精密微細部品も製造しています。これらは、金属インサートや薄肉形状のものが多く、実績も多数ございます。そして、BMC射出成形も可能です。
切削加工品や簡易金型での試作品、3Dプリンターを使って作成した試作品などを駆使し、多種多様なお客様のニーズに対応しています。
試作品での問題点を改善していくことで、円滑に量産への移行も実現します。
医薬品・化粧品部品、ヘルスケア部品、光学機器部品、その他
ベトナム・ホーチミン工場では、クラス10万のクリーンルームを備え、目薬容器やヘルスケア部品をブロー成形により製造しています。医薬品と直接接触する一次包装材料の製造においては、品質と安全性を厳格に管理するための国際規格ISO 15378を取得しており、高い基準での生産を行っています。
化粧品分野では、リップスティック容器の製造を行い、製品形状の提案から組み立て、印刷までを一貫して対応しています。お客様の求められるさまざまな種類の容器を提供し、デザインや機能性において信頼をいただいています。
光学機器部品では、カメラやプロジェクターの部品を30年以上にわたり製造し、特にガラス繊維入りエンジニアリングプラスチックを使用した機構部品においては、厳しい寸法交差にも対応できる技術力を誇ります。これにより、高精度が求められる部品の製造で豊富な実績を積み重ねています。
その他の精密小物工業部品に関しても、さまざまな業界に採用されてきた実績があります。幅広い分野での用途に応じて、細やかな技術提案と高い品質管理を行い、お客様の多様なニーズにお応えすることが可能です。
品質方針・管理方針
私たちは、「品質・納期・コスト」の全てにおいて高い基準を維持することをお約束し、お客様の困りごとを解決し、感動を実感していただけるサービスの提供に努めます。その実現のため、規則や法令の要求事項を厳守し、経済的・技術的に可能な範囲で最適な品質目標を設定しています。
さらに、年に一度のマネジメントレビューを通じて、品質向上に向けた継続的な改善活動を推進しています。最終的な品質マネジメントシステムの運用責任は、社長自らが担います。
試作工程における品質管理体制
事前打ち合わせ
金型手配
試作
品質評価
量産
当社では、各工程において定められた検査やチェックを徹底し、確実な品質管理体制を構築しています。
- ・当社は金型の設計から手配までを一貫して対応可能です。流動解析や型打合せを通じて最適な仕様を設計し、最適な金型を手配します。
- ・試作前には社内会議を開催し、全体計画を策定するとともに、お客様の要求事項や工程フロー、製品の用途を明確化し、漏れのない帳票類への展開を行います。
- ・品質評価では、図面レイアウトや製品外観の検査結果を基にすべての問題点を洗い出し、改善措置を講じます。お客様の承認を得た後、量産へ移行します。
- ・試作品の最終確認として、量産前に再度社内会議を行い、品質評価結果に異常がないことを確認してから量産工程に移ります。
量産工程における品質管理体制
部材受け入れ
射出成形
品質評価
組み立て・
印刷・
加工
品質評価
完成品
当社では、工程ごとに定められた検査・チェックを徹底し、万全の品質管理体制を構築しています。
- ・初期流動部品については、工程FMEAや工程能力分析、GR&R、全数検査などの特別管理を実施。これにより問題点の早期発見と改善を行い、安定した生産体制を確立しています。
- ・材料の受入検査では、材料のグレード、梱包外観、荷姿などを厳しくチェック。部品受入においては、各製品の月ごとの品質実績に基づき設定した頻度で検査を実施し、確実な品質保証を行います。
- ・射出成形では、成形開始前および2時間ごとのインターバルで自主検査を実施し、不適合品の早期発見・対応に努めています。また、量産スタート品については、外観と寸法をチェックし、品質を確保します。
- ・当社では、ノギス、マイクロメータに加え、ミクロン単位まで精密に測定可能なCNC三次元画像測定機や、世界的に評価の高いカールツァイス製三次元測定器を所有しています。これにより、重要部品や精密部品の寸法を厳密に評価し、精度の高い合否判定を行っています。
その他の品質管理
QC活動
写真:QC活動QC活動として、改善提案の導入、技術コンクールの開催、そして毎月の品質実績の掲示により、全社員の意識高揚に努めています。
PK活動
各工程では、定期的にPK活動を行うことにより、継続的な改善活動を通じ、より高いレベルの品質管理を心掛けています。
品質監査
宮崎工場とベトナム工場へは、定期的に訪問し、品質監査により品質の維持・向上に努めています。
また、前期の品質のワースト仕入先においても、上記同様の品質監査により品質の維持・向上に努めています。
不適合品について
不適合品が発生すれば、要因分析やナゼナゼ分析を行い、必ず発生源まで究明し、その対策と源流へのフィードバックを実施して常に品質の良い製品を造りだし、不適合品は絶対にお客様に流さないようにしています。
生産管理
当社は、多品種少量注文から少品種多量注文まで幅広く対応可能であり、カンバン方式にも柔軟に対応しています。また、自動車メーカーとの取引においても信頼を得ており、さまざまなニーズにお応えしています。
これらの取引を支えるため、生産管理システムを導入し、生産計画、製造、受注、発注、出荷、在庫管理までの一連のプロセスを、最適な品質、価格、納期で効率的に統合管理しています。
さらに、国内の宮崎工場や協力工場、ベトナムのホーチミン工場およびハノイ工場と密接に連携し、常にお客様の多様なニーズに迅速かつ柔軟に対応できる体制を整えています。