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コラム

取扱材料

熱可塑性樹脂

熱を加えると軟化し、再加熱による加工が可能な樹脂です。
熱可塑性樹脂はその分子構造から、結晶性、非晶性に分類することができる。
結晶性樹脂は耐薬品性や耐溶剤性に優れますが、溶剤接着性や超音波溶着性、塗装性、印刷性が劣ります。非晶性樹脂はその逆となります。

対応可能な材料(一例)

  • ポリエチレン
  • ポリプロピレン
  • ポリスチレン
  • ABS
  • PMMA
  • PVC
  • PA
  • PBT
  • PET
  • PC
  • PEEK
  • PPS

熱可塑性樹脂の種類

● PE:ポリエチレン(polyethylene)

比重が軽く、水に浮く成形材料です。ボトル、タンク、コンテナ、レジ袋、キャップ類等に使用されています。軽い、半透明軟質、耐薬品性、耐衝撃性、耐寒性が良いことが特徴です。

● PP:ポリプロピレン(polypropylene)

比重が軽く、水に浮く材料です。工具箱、バンパー等に使用されています。ホモポリマーでは低温衝撃が問題となりますが、エチレンとの共重合によって改良されます。流動性が比較的良く、融点も高い材料です。ヒンジ特性を有すことが特徴です。接着性や印刷性は劣ります。

● PS:ポリスチレン(polystyrene)

剛性に優れ、表面硬度も大きいですが、衝撃に弱い。広い温度範囲で電気特性に優れており、特に高周波域では電気絶縁性が良い。保温材、緩衝材等に使用されています。

● ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)

剛性があり、引っ張り強さ、曲げ強さ、衝撃強さ、クリープ強さ等が優れています。着色性・メッキ性に優れています。テレビハウジング、事務機器、自動車内装、スーツケース等に使用されています。

● PMMA(Polymethyl methacrylate)

透明度が非常に優れており、耐候性も良い。耐衝撃性、耐熱性がやや劣ります。光ファイバー、屋外看板等に使用されています。

● PVC:ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)

電気絶縁性が良好で、耐候性、耐スクラッチ性に優れています。塩ビパイプ等に多く使用されています。

● PA:ポリアミド樹脂(polyamide)

一般にナイロンと呼ばれている原材料です。同じナイロンでも重縮合反応させたもの、共縮重合反応させたものがあり、またモノマー成分に含まれる炭素数により様々な呼び名が存在します。(例:PA6、PA66、PA11、PA12、PA6T、PA9T・・・)
PA66では、オイルタンクや、ラジエーターファン等の自動車部品に多く使用されています。

● PBT(polybutylene terephthalate)

結晶化速度が速く成形サイクルが比較的早い原材料です。結晶性樹脂の中では比較的耐候性が良好で、寸法安定性も良いですが、高温使用時に水気があると加水分解を起こしてしまいます。コネクタ、クーリングファン、自動車部品、機械部品、カメラ部品等に多く使用されています。

● PET(polyethylene terephthalate)

エステル結合を有すため、熱水や、アルカリによって加水分解を起こしてしまいます。摺動特性、機械特性、電気特性、耐薬品性に優れていますが、耐熱性や成形性にやや難点があります。
容器類、電気電子部品、自動車部品等に多く使用されています。

● PC(polycarbonate)

非常に優れた耐衝撃性と表面光沢の優れた原材料です。電気特性、耐候性、機械的特性も優れていますが、溶剤等には弱く膨潤、溶解を引き起こしやすいことが特徴です。電気電子部品、自動車部品(ヘッドランプ等)、光学機械部品、OA機器用、保安用具(ヘルメット等)に多く使用されています。

● PEEK(Polyether ether ketone)

ガラス転移点、融点の非常に高い熱可塑性樹脂で、耐熱性が良い。耐熱水性、耐薬品性、耐加水分解性、耐摩耗性、耐摺動性にも優れています。デメリットとしては材料価格が大変高く、1万円/kg以上のものもある。電気電子部品、自動車部品、機械分野等で多く使用されています。

● PPS(Poly Phenylene Sulfide Resin)

荷重たわみ温度が非常に高く耐熱性に優れています。高温化でも高い機械的性質を有し、耐薬品性、耐摩耗性、耐電気特性、寸法安定性に優れています。流動性もかなり良いですが、バリが発生しやすいため金型精度が求められます。電気電子部品・自動車部品・工業用部品等に多く使用されています。

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